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2009.09.21

夕暮れをすぎて

4167705788 夕暮れをすぎて (文春文庫)
Stephen King
文藝春秋 2009-09-04

by G-Tools

キング久々の短編集です。中編ほどの長さからごく短い小品まで、7編が納められています。
キングの真骨頂はやはり長編にあるものとは思いますが、短編も捨てがたい、、というか、短編にしかない強い魅力も感じますね。
 
たとえば、この3つが印象に残りました。
愛娘を亡くし、しかも離婚係争中の主人公女性が、父親の別荘に移り住んでから出会ってしまった悪質な犯罪の罠 『ジンジャーブレッド・ガール』
わりと往年のキング節でしょうか。サイコな殺人者と、強ーい女性との戦いです。
高いコレステロール値を指摘され、ダイエットを決意したイラストレーター。ところがエアロバイクに乗るたび催眠状態に襲われます 『エアロバイク』
B級キングの面目躍如ですね。過ぎたるは及ばざるがごとし、という話しです。
9.11の日、たまたまワールドトレードセンタービルにある職場に行かなかった主人公。彼のもとに、テロで亡くなった元同僚が使っていた持ちものが現れます。『彼らが残したもの』
あのテロ事件にキングが言及する、これは特筆すべき作品だと思います。内容は『アトランティスのこころ』を思わせるような、きゅんとする物語です。
 
長編にあるような壮大なテーマこそ見られませんが、その場の状況を丹念に追うその筆致には圧倒されますね。キング健在を印象づけて、ファンとしてはうれしいですー。
このあとは長編がひとつ、その後、この短編集の後半部が日本で刊行される予定です。さらに今秋には、アメリカでかなり大部の作品が発表されるそうで、まだまだ楽しませてもらえますー。

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