あるがままにLet It Be
EMIミュージック・ジャパンが開催していた、ビートルズのアルバムおよび楽曲の人気ランキングが、リマスター版発売の9月9日にあわせて発表されていました → こちら
それによると、アルバムの1位が『アビー・ロード』で、2位が『ホワイトアルバム』
うーん、非常に納得のいくランキングですね(笑)
ところで、楽曲の1位は、なんと『レット・イット・ビー』なんですね!
楽曲を選べ、、というのは難しい設問で、かなり答えはバラけるのではと思うのですが、たとえば『ヘイ・ジュード』とか『イン・マイ・ライフ』とかを押さえての1位獲得。意外な気と、納得するトコロと両方あります。
もちろん私も大好きです。ビートルズを知らない人でも、なんか聞いたことあるな、、くらい言わせるような曲ですよね。
さて、この曲の冒頭は、
When I find myself in times of trouble Mother Mary comes to me Speaking words of wisdom, "Let it be."
という歌詞となっています。
私(作者ポール)が困難で苦しんでいるとき、母マリー(聖母マリアと、ポールの亡くなった実母マリーの両方の意)が現れて、言ってくれる智慧の言葉が「Let It Be」である、、という意味です。
そして、この「Let It Be」は、「なすがままに」とか、「あるがままに」と訳されることが多いように思います。
「なすがままに」 「あるがままに」
もうホントに今でもよく耳にするフレーズで、(正直ちょっと食傷気味なのですが・・)現代人にはアピールするのでしょうね。
ただ、私はクリスチャンではないので、キリスト教の視点で見た「Let It Be」ってどうなんだろうな、、という興味はありました。
そんなとき、「Things I Said Today」さんというビートルズ研究サイトで、そのものずばりのページを見つけました(サイト内、テーマNo.10「ふたつのLet It Be」をご覧ください)
そこでは、「Let It Be」のカトリック的解釈とプロテスタント的解釈を並べ、カトリック寄りであったポールは、その解釈にてこの歌詞を書いたのでは、と推論しています。
それは、ベストを尽くして精一杯の善行を積み、その結果は神が判断するから、今はマリア様の慈悲にすがり、じたばたせずにいよう、、といったものです。
どうやら「あるがままに」とは言っても、努力を放棄した態度ではないようです。このサイトで見るかぎりでは、とても納得しやすい説明ではありますね。
おそらくみんな、ちゃんとお気づきなのでしょうけど、「あるがままに」を、正しく実行する(仏教的に言うと、行ずる)のは、じつは安易な自己肯定ではないのだ、、ということがきちんと押さえられています。
せっかくなので(笑)道元禅師を引用しますと、『正法眼蔵』「三時業(さんじごう)の巻」に
業障本来空(ごっしょうほんらいくう)なりとして放逸に造業(ぞうごう)せん、衆生さらに解脱(げだつ)の期あるべからず。
という箇所があります。
これはまさに「あるがまま」の間違った解釈を戒めていて、勝手な意訳を試みますと、「あるがままで良い(業障本来空)んだから、好き勝手に生きて(放逸に造業)も救われるんだろ?」という生き方を、真っ向から否定するものなんですね。
さて、そんな知識を持って、あらためてこの曲を聴くと、これはやはり宗教的な作品だなぁとも思います。
そのあたり、ポールはどこまで意識していたのでしょうね。