悪霊の島
- スティーヴン・キング | 読書のこと
- 2009年10月13日 17:47
さてさてスティーヴン・キングの新作長編です。
帯には「恐怖の帝王、堂々の帰還」という惹句が。久々の長編恐怖小説ですね。
一代で富を得た建築会社社長のエドガー。彼は不慮の事故で右腕を失い、精神的にも不安定な生活を余儀なくされていました。
臨床心理士の勧めに従い、彼はフロリダの孤島にひとり移り住みます。そこで彼は不思議なパワーを持つ絵を描き始めますが、それには、海に太古より巣くう凶悪な存在の招きがあったのです。
私が勝手にキング最高傑作とする『シャイニング』に似て、邪悪な幽霊に生命を脅かされる物語ですね。
『シャイニング』は、舞台が真冬の大雪に閉ざされたホテル内だけなのに対し、こちらは暑い春のフロリダで、砂浜や海もふくめた開かれた舞台という違いはあります。
絵の素人だったエドガーが、何かに憑かれたように描きまくる絵画がストーリーのポイントですね。それは悪霊が描かしめたものであり、その絵を通じて、エドガーやその家族、または友人たちに次々と危害が及んでいくわけです。
最愛の娘まで殺され、ふつうなら失意のどん底から這い上がることも困難かと思うのですが、強靱な意志と頼もしい仲間の手助けもあって、彼は悪霊に対抗していきます。
うーん、やっぱりキングはこういう話しの方がいいね(笑)
恐ろしい超自然存在が出てくるのは、『シャイニング』や『呪われた町』や『ペット・セマタリー』などの傑作群とおなじ。ただ、上記3作品のように心底怖いというよりは、どちらかというとじわじわ来るよう。「ホラーはファンタジーの一種」と言われるけど、今作品も怖いめのファンタジーを読んでいる感はありますね。
キングの芸術観に触れられたり、最後にはちょっとほろ苦いエピソードもあったりして、巨匠健在をまざまざと見せられました。
次はさらに長編の『ドームのもとで』発売を待ちますー。

